気になる症状がある

- 監修:島崎 千尋 先生
京都鞍馬口医療センター 名誉院長
アミロイドーシスの症状
アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる線維状の異常タンパク質が、全身のさまざまな臓器に沈着・蓄積することで機能障害を起こす病気の総称です1)-3)。アミロイドが沈着する部位は、心臓、消化器、神経、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節など多臓器にわたります(図1)。通常中高年に発症しますが、30~40代、時にはもっと若い世代で発症することもあります4)。
図1各臓器におけるアミロイドーシスによる症状

日本循環器学会,他.2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン.2020./
KOMPAS 慶応義塾大学病院医療・健康情報サイト.心アミロイドーシス.https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000649.html(最終アクセス:2024年10月15日)を参考に作成
アミロイドーシスでは特徴的な症状が少なく、体重減少、疲労、息切れ、起立時のめまい、足首・脚のむくみ、手足のしびれや刺痛、泡立ち尿、交互に起きる便秘と下痢、食後すぐの満腹感など、さまざまな症状が生じることがあります2)3)。目の周りの皮膚にみられるあざのような色素沈着や、舌が大きく硬くなる舌肥大(巨大舌)は、ALアミロイドーシスに特徴的な症状です5)。
アミロイドーシスではどのような症状が出るのか、わかりやすい動画を作成していますので、確認してみましょう。
アミロイドーシスでみられる症状は、他の一般的な疾患の症状によく似ています。最初にほかの病気が疑われることが多いため、アミロイドーシスが原因であることが発見されにくく、適切な診断までに時間がかかることも珍しくありません。
上記のうち複数の症状があり、治療を受けても改善しない、症状の原因がわからない、目の周囲のあざや舌の肥大がみられる場合には、専門医の診察が必要かもしれません。
もし、気になる症状がある場合には、循環器内科、腎臓内科、神経内科、消化器内科など各診療科の医師へご相談ください。アミロイドーシスの専門外来が設置されている医療機関もあります。
- 1)Sipe JD,et al.Amyloid.2014;21:221-4.
- 2)日本循環器学会,他.2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン.2020.p.9,p.17-8.
- 3)安東由喜雄(監).植田光晴(編).最新アミロイドーシスのすべて―診療ガイドライン2017とQ&A.東京:医歯薬出版;2017.p.5,p.114.
- 4)Shimazaki C,et al.Intern Med.2018;57:181-7.
- 5)Falk RH,et al.J Am Coll Cardiol.2016;68:1323-41.
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